研究方針
当研究室では、構造物の主要材料であるコンクリートについて、それを構成するセメント、骨材、混和材料等の諸特性を把握し、フレッシュ/硬化コンクリートの諸性質の向上技術、並びに耐久性向上技術について研究しています。
また、社会動向の変化を踏まえ、環境保全、環境との調和を研究課題の大きな柱の一つと位置づけ、資源の有効利用に取り組んでおり、例えば、鉄鋼産業から産業廃棄物として処分されるスラグを骨材やセメント代替として使用する場合の性能評価についての研究を進めています。さらに、ごみ焼却灰を利用して製造されるエコセメントを用いたコンクリートの諸性質を把握し、循環型社会へ移行するための研究を推進しています。
時代は新設からリニューアルへと移行していることから、高品質のものを構築し、構造物の延命を計り、できるだけ長い時間、供用していくことも我々の課題です。耐久性を支配する各種要因の影響度を評価することが、今後の維持管理ならびに新設構造物の合理的設計には欠かせません。そのような背景のもと、セメント化学的観点から、耐久性評価手法を検討し、合わせて、補修・補強技術についても研究を行っています。
所属教員および研究概要
<准教授> 上野 敦 Atsushi UENO
主な研究対象:
土木材料学に関する研究
【研究実績の概要(2022年度)】
1) 都市の環境改善、コンクリートの環境負荷低減、舗装の安全性確保、コンクリートの基礎研究の観点から、エコセメントを用いたプレキャストコンクリートの耐久性、火山性堆積物の特性評価とコンクリートへの適用性、コンクリート舗装のテクスチャによるすべり抵抗性の評価、廃タイヤ由来の微粒子ゴムによるモルタル品質への影響、非破壊試験の適用性などについて検討した。。
<准教授> 大野 健太郎 Kentaro OHNO
主な研究対象:
コンクリート構造物の維持管理、診断調査
【研究実績の概要(2022年度)】コンクリート構造物の維持管理・調査診断に関わる以下に示す研究課題に取り組んだ。
1)超音波法によるプレストレストコンクリートの応力推定方法に関する研究
2)衝撃弾性波法による覆工コンクリートの脱型時期判断手法に関する研究
3) コンクリートのひび割れ幅と漏水が超音波伝搬特性に及ぼす影響に関する研究
4) 弾性波速度変化を考慮した AE 源位置標定手法に関する研究
5) 超音波法および AE 法による蒸気養生コンクリートの養生過程に関する研究
6) コンクリートの含水率がリバウンドハンマーによる反発度に及ぼす影響に関する研究。
<助教> 鎌田 智久 Tomohisa KAMADA
主な研究対象:
鉄筋コンクリート構造物の耐久性と維持管理
【研究実績の概要(2022年度)】1)鉄筋コンクリート中の水分浸透性状を理解することを目的に各種実験的検討を行い、鉄筋コンクリー
トと無筋コンクリートとでは水分浸透性状が大きく異なること、さらに水分が鉄筋直下付近を選択的に
浸透することを明らかにした。
2)FIB-SEM を用いてセメント硬化体空隙の三次元微細構造観察を行い、取得した空隙構造の三次元情
報と水分浸透性状との関係について検討した。
過去の研究概要
- 2019年度
- 研究概要
- 2018年度
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- 2017年度
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